中古マンションや団地を購入して自分好みにリノベーションしたいという方は、年々増えてきているようです。
しかし、リノベーションをするにはどういう物件を選んだら良いのかよくわからないという方も多いと思います。
そこで、弊社ならではの視点でリノベーションに適した物件を探すためのポイントをまとめてみました。
建物の耐震性
日本は地震が多いので、物件の耐震性はとても重要です。
しかし、マンションや団地では個人(区分所有者)がリノベーションできるのは購入した自分の部屋の中(専有部)だけで、建物の躯体など共用部分の維持管理や修繕は管理組合がおこないますので、物件の耐震性が十分か、もしそうでない場合は対応策が計画されているかを事前に確認しておくことが重要となります。
耐震基準は1981年6月1日の建築基準法改正後で大きく変わります。
物件が1981年6月1日以降に確認を受けていれば新耐震となり、それより前は旧耐震基準として区別されます。
ただし、1982年前後に完成した物件だと、旧耐震基準で設計されている可能性もあるので確認が必要です。
また、旧耐震時代の建物でも、耐震診断を受けて耐震性があると確認されていたり、壁で支える頑丈な壁式構造だったり、耐震改修済みの物件もあったりもしますので、旧耐震だからダメということではありません。
十分な耐震性が認められる物件は旧耐震でも耐震基準適合証明が取得できるので、住宅ローン控除やフラット35も対応になる可能性が高くなります。
物件の構造
マンション・団地の構造には、壁式構造とラーメン構造があります。
壁式構造は、壁で建物を構成する作り方。
ラーメン構造は、柱と梁を組み合わせた骨組で、建物を構成する作り方です。
壁式構造は5階建て以下の中低層物件に多く、6階建て以上の高層マンションにはラーメン構造が採用されています。
壁式構造は、壁で建物を支えているので撤去できない壁がありますが、その代わりに柱や梁がなく室内がすっきりとしています。また、壁でしっかり支えているので頑丈で耐震性が高く、1981年6月1日以前に建てられた旧耐震の建物でも十分な耐震性をもっていることがほとんどです。過去の大震災では、旧耐震でも壁式構造の建物は地盤が不安定だったもの以外はほとんど被害がなかったという報告があるほどです。
ラーメン構造は、室内に柱や梁のでっぱりがでてきますが、壁がなくても成り立っているので壁をとっぱらってだだっ広いワンルームにしたり、仕切り壁を移動させたりなどの間取り変更の自由度は高くなります。
ただ、壁式構造に比べて耐震性は劣るので、対象物件が新耐震であるか、また旧耐震でも十分な補強がしてあるかが重要となります。旧耐震のラーメン構造物件で、耐震診断をした結果十分な耐震性がなかったとなれば、のちに耐震補強が必要となります。そうなると、月々の修繕積立金に耐震補強費が上乗せられたり、耐震補強の部材によって建物外観が変わってしまうこともありますので注意が必要です。
次回は、物件の維持・管理や規約などについてです。