コロナ禍以降、テレワーク(リモート)による在宅勤務や時差通勤が普及したことで今後ますます移住希望者が増加していくだろうと言われている湘南エリア。
そんな湘南エリアに、注目すべきニュースが。神奈川県・藤沢市・鎌倉市とJR東日本が新駅設置に合意して覚書を交わし、JR東海道線の大船~藤沢間に『村岡新駅(仮称)』が設置予定と発表。隣接する鎌倉市の湘南深沢エリアにも再開発の予定があり、今後は、神奈川県・藤沢市・鎌倉市が共同で、ウェルネス・ウォーカブル をテーマに村岡〜湘南深沢エリア一帯を開発していくようです。
※(新駅・再開発に関してはあくまでも予定となります)
画像:神奈川県
そこで、村岡〜湘南深沢について、かつてどのような歴史があった場所なのか、現状はどのような状態なのかをコラムにしてみました。
今回は、『湘南深沢』編です。
湘南深沢の歴史:鎌倉幕府の重鎮・梶原氏所縁の地
その昔、この辺り一帯は“相模国鎌倉郡梶原郷”といわれ、隣の村岡エリアと共に “桓武平氏”を祖とする“鎌倉氏”一族の支配領域でした。この地に住んだ鎌倉景通(かまくらかげみち)の子である景久(かげひさ)から“梶原氏”を名乗ったとされ、後に子孫の梶原景時(かじわらかげとき)が歴史の表舞台で活躍。2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも主要人物として登場する梶原景時は、源頼朝の寵臣として、鎌倉幕府の成立に貢献。湘南深沢駅の近辺には「梶原御霊神社」や「等覚寺」など、鎌倉氏・梶原氏に関する伝承のある史跡がいくつか残っています。
また、このエリアは鎌倉街道・上道からの鎌倉への入口にあたるため鎌倉防衛の要所とされており、鎌倉時代末期の“新田義貞の鎌倉攻め”の際には“洲崎合戦”といわれる激戦の舞台になったとも伝えられています。
湘南深沢駅周辺の風景は?
湘南モノレールの湘南深沢駅に隣接する西側は、もともとJR東日本の工場でしたが、現在は広大な空き地となっています。一部はスポーツ広場や流鏑馬(やぶさめ)の訓練馬場などに活用されていますが、大半はだだっ広い草原が広がっている状態で、その壮大さに“鎌倉のサバンナ”と呼ぶ人もいるそうです。(晴れた日には、富士山も見れます)
駅東側の周辺には、スーパーやコンビニもあり、少し進むと住宅と町工場などが入り混じる下町的な風景が広がっていますが、坂の上の高台へと進んでいくと雰囲気が一変。野村グループが開発した「鎌倉梶原山住宅地」と名付けられた高級住宅街となり、鎌倉らしい地形を感じさせながら街並みは綺麗に整えられ、鎌倉市の保全する緑地にも囲まれていて、どことなく避暑地のような趣が感じられる景観へと変貌します。
少し前までは一般的にはあまり知られていなかった村岡〜湘南深沢エリアですが、再開発が行われたら一気に活性化しそうなポテンシャルを感じさせる場所だと思います。
コロナ禍以降の湘南移住ブームで湘南モノレール沿線は穴場として目をつけられて、既に移住者が急増している状況となっています。湘南移住計画を検討している方々には、今後さらに気になるエリアになっていきそうですね。
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参考文献
『かまくら子ども風土記(改訂14版)』、鎌倉市教育委員会、2019年
湯山学『相模武士・全系譜とその史蹟 第1巻 鎌倉党』、戎光祥出版、2010年
(2022年12月追記)